歯科衛生士 村上(むらかみ)インタビュー

目次
- 院長はドーンと存在感があります
- チーム医療と患者さんへの配慮
- 患者さんのニーズを読み取るポイント
- 視覚に訴える説明の効果
- パウダークリーニング(EMS)の魅力
- 歯を残す治療とFプレート
- 将来の夢は「手話ができる歯科衛生士」
- 生まれも育ちも札幌です!
- 患者さんにひとこと
- 取材後記
院長はドーンと存在感があります

院長はどんな感じですか?
ドーン!という感じで、存在感がありますね。

村上

村上さんは、どんな役割ですか?
歯科衛生士を始めて20年ちょっとになります。
歯科衛生士は「歯のクリーニングの専門家」ですので、お任せください!

村上

先ほど、根っこの治療担当の小林先生のインタビューをさせていただいたのですが、この医院は各分野の専門家が多いですよね。
小林先生は必ず敬語で話してくださいます。
技術もすごいですね。

村上

本多先生がべた褒めで「小林先生が来てから、パズルのピースがハマったな、という感じがします」と話してました。
根っこを「マイクロスコープ」で拡大して治療する。
かつ、繊細な動きを確実にこなす手技(しゅぎ)があるので、私たちとは見えている世界が違います。
こだわりが強いですが、周りへの気配りもすごいです。

村上

チーム医療と患者さんへの配慮

今回、分かりやすい科名を付けての総合歯科ですが、専門の先生と患者さんの間に入ってフォローする役割もあるのでしょうか?
患者さんも先生との相性があると思うので、治療は相性の合う先生とできるように相談できればと思います。
前の職場は先生と2人だったので、先生がやると言ったからやる、という感じでした。
が、ここは各人がその道の専門家で、私たちの担当は「歯のクリーニング」です。
クリーニングの中で「あれ?どうかな?」と思った瞬間を見逃さないようにします。
自分で少しでも違和感を感じた時は必ず先生にチェックしてもらい、早期発見早期治療に努めています。

村上

少しの変化も見逃さないんですね!
ちなみに初診で来た時、どう担当の先生が決まるんですか?
初診で痛いが主訴の方は先生、検診希望の方は衛生士、と入口が違います。
衛生士は、自費治療と保険診療の違い・メリットデメリットも説明し、患者さんに決めてもらうサポートもします。
そんな役割もしているので、ぜひ気になる点、分からない点についても聞いてくださいね。

村上

正直、自費って言われるとひいちゃうんですが。
自費は、治療の範囲を広げるための「提案」です。
例えば、保険しか提案しなかった、そして後から「あんな治療があったのに知らなかった!」だと困りますよね。
メニューとしてお出しして、患者さんに選んでいただくというイメージです。

村上
患者さんのニーズを読み取るポイント

ここは見逃さないポイント!は、ありますか?
患者さんと最初に会って「こんにちは!」と声を掛けた時に、どれだけのことを望んでいらっしゃるのかを声のトーンやお顔の表情を見て読み取る努力をしています。
お時間がない方、しっかり治療したい方、色々な方がいるので。
実は、クリーニングのしがいのある患者さん(歯石が多くついているなど)の方がテンション上がります!
「歯石、弾いてやるぜ!」となるほうが楽しいんです!(笑)
ネットで歯石を取る動画とかが好きで・・・夜な夜な見ています。(笑)

村上

職業病ですね。(笑)
やりがいがあります!

村上
視覚に訴える説明の効果

どうメンテナンスをしていけばいいか、患者さんはお話しすると分かってくれますか?
今、総合院長が「口の中の菌を位相差顕微鏡(いそうさけんびきょう)で見るキャンペーン」を実施しているんです。(笑)
結構、推しています!
いくら「口の中に菌がいますよ」と言われても実感が伴わないけれど、自分の口の中の細菌を「位相差顕微鏡」で見ると、ミジンコみたいなやつがワンサカいるんですよ。
それを見せると、患者さんに響きます。

村上

患者さんのリアクションはどうですか?
「ううっ」という人、「これ、なんですか??」などです。
院長が言う「視覚的に見せる」と効果がありますね。

村上
歯周内科治療について

(手元に持っている)その資料は何ですか?

「歯周内科」の資料です。

村上

歯周内科??
今までは歯周病の治療は外科的なことしかできなかったのを、歯磨き粉のようなもので痛くなく治せる、というものです。

村上

患者さんの治療の経過はどうですか?
効果あります。
自費なのですが、効果は出ているし「やってよかった」という人もいます。
目に見えて歯ぐきの状態や位相差顕微鏡で拡大した時の菌の状態がよくなります。
保険でもできればいいのになと思います。
実は私もやりましたが、位相差顕微鏡で見た口の中の細菌は、見たいような見たくないような、という感じでした。(汗)
細菌がいる方が結構多くて、患者さんも自分で変わっていくのが楽しいみたいです。
それと「舌圧測定(ぜつあつそくてい)」もやっています。

村上

ぜつあつ?
ベロの力を測ります。
→口腔機能低下症についてはこちら
飲み込みの機能を測るためにやるのですが、高齢者の方だけでなく小さい子も測ってトレーニングもします!
それと、地域柄だと思いますがホワイトニングは多いですね。

村上

ホワイトニング希望者の男女比、年代は?
以前は、女性の方が多かったですが、最近は男性も増えてきました。
20代もいますが、40代50代の方も結構多いです。
あと、結婚式前にホワイトニングする方も多いですね。
結婚で思い出しましたが、院長が「生まれてきてからすぐの小児歯科」を提唱しています。
→詳しくはコチラ

村上
パウダークリーニング(EMS)の魅力

パウダークリーニング(EMS)も導入されているそうで。
粉代だけ3000円いただきます。
これが気持ちいいんですよ、お湯が出るんですね。

村上


やってもらったことありますが、口の中が「温泉」でした!
1回やったら水の超音波スケーラーには戻れないです。
説明すると、7~8割の方が「やってみようかな」となります。
値段的にも手を出しやすいですよね。
あと、お湯が出るだけじゃなくて、施術が早く済みますし、水に比べてしみることも軽減されます。
時間が半分から3分の2くらいの時間で済むので、お互いに負担が少なくなります!

村上
歯を残す治療とFプレート

「歯を残す科」というのがあるんですが、どういう内容なのでしょうか?
はい、そういう時代になってきましたよね。
治療より予防、歯を失わないためのさまざまなアプローチをご紹介しています。

村上

総合院長に「Fプレート」の話を先ほどインタビューで聞きました。
院長曰く、歯科医師になって、入れたもの(かぶせ物)が何で壊れるのか?ずっと悩んできた事とのこと。
本当に真摯に患者さんの事を考えていると感じます。
そして、患者さんから学ばせてもらっています。

村上
将来の夢は「手話ができる歯科衛生士」


何かお話ししたいことがあるそうですが。
私の今後の夢、話していいですか?
小学校3年の娘がいるんですが、ある日突然「手話を習いたい」と、1年前から習い始めたんです。
1人では行けないから私も習っているんですが、実際に教えてくれる先生がろうの先生なんです。
先生曰く、一番困るのが病院で専門的な話をする時の「手話通訳」と「先生」と「患者」との伝達なんだそうです。
手話通訳士さんがいても、伝わりにくいことが結構あるそうです。
将来そういう方の来やすい歯科医院・・・役に立てる、手話も使える衛生士になりたいなと思っているんです。

村上

English availableでなくて、手話 available、ってことですね!
あまりないと思うんです。
今まで何名か、実際に聞こえない方とかは筆談でやって・・・「起こします」など伝えるにしてもすごい時間がかかるんですよ。
多分患者さんも言いたいことが言えてない、筆談すると10分の1も伝わらないんじゃないかと。
私はろうの方とのコミュニケーションが取れると嬉しいし、その方も喜んでくださいます。
そういう人の役に立てるようなことをしていきたいと思います。

村上


総合歯科の1つの科になると思います。すばらしい。
一緒に手話を習っている人の中に警察官の方がいるのですが、神奈川県には2人しかいないんですって。
地域の人に頼まれて始めたそうですが、耳の聞こえない人が集まるような駐在所になって、すごいなこの人と思って。
その人も「40歳から始めた」と言っていて、48歳で資格を取った。
それを見て娘は「警察官になりたい」という夢を持って。

村上

おお!ちなみに、娘さんはどうして手話を?
ある日突然言い始めたんですよ、「手話を習いたいから連れて行って」と。
私も仕事しているので、夕方や夜やっているところに行っているんです。
月額200円なんですよ。(笑)
娘のおかげですね。
娘が中学生だったら「1人で行っておいで」と言ってたと思うんですよ。
一緒についていったから一緒にやっているんであって、何がご縁になるか分からないものですね。
手話が伝わった時は嬉しいですね!

村上

マイブームは?
ピラティスを始めました。

村上

あ、総合院長と一緒ですね!
そうなんですね!
もともと小さい頃からクラシックバレエをやっていました。
子供を産んだ後ヨガを始めたのですが、今はピラティスをやっています、楽しいです!

村上
生まれも育ちも札幌です!

こちらの医院さんは長いんですか?
ここは2年半くらいです。(インタビューは2025年10月)
札幌生まれの札幌育ちなので、札幌のクリニックで働いていたのですが、夫の転勤でこちらに来ました。
で、院長に拾ってもらったんです。(笑)
札幌にお出かけの際は、おすすめのお店など聞いてください!

村上

何で歯科衛生士に?
高校生の時、友達で医療事務を仕事にしたい子がいて、その学校見学に「付いてきて」と言われて一緒に行ったんです。
たまたまそこに「歯科アシスタント科」という歯科助手の勉強をする科があって「あたしは楽しそうだからあっち行くわ」と・・・白衣も着れるし、女子高生の私は楽しくなっちゃって。(笑)
その学校で説明していた人が、「本当は私、歯科衛生士になりたかったんだけど、衛生士は国家試験が難しそうだし、学校の期間も長いからこっちにしたんだ。」と。
歯科アシスタント科は1年だけど、歯科衛生士科は当時2年だったんです。(今は3年になっています)
歯科衛生士って何だろうと、思って調べて・・・たまたまその帰りに「札幌歯科医師会」の前をバスで通って。

村上

それは、運命と書いてさだめと読むってやつじゃないですか?!
「歯科衛生士学科」と「歯科技工士学科」があって「これだ!」と思って、その学校に興味本位で行ってみたら、楽しかったんですよ、それが!
私1人で乗り込んだんですが、周りは友達と来ている子ばかりで「あなた凄いわね」と先生が話しかけてくれて。
歯型を取るピンクのやつとか楽しくて「これ、楽しい仕事じゃない!」と。(笑)
勢いでここまで来てしまいました!

村上

(笑)仕事、楽しいですか?
楽しいです!

村上

だから歯石がいっぱいついた口の中を見ると、ゾクゾクするんですね。
はい、ゾクゾクします。(笑)

村上

歯科衛生士魂に、火が付いちゃう。(笑)
そうなんですよ。
この間、娘の迎えに行ったときに、駅員さんと話していたら歯にいっぱい歯石が付いていて。
「うちの歯医者、来てください!」って喉まで出かかったんですけれど、我慢して帰ってきました。(笑)

村上
患者さんにひとこと

患者さんにひとこと!お願いします。
歯医者は怖いと思います、特に初めて行く医院は。
構えないで、思っていることを伝えてくれたらと思います。
こちらもプロとして提案もしますが、患者さんのオーダーを聞いてなるべくそれに寄り添うような形で進めていきたいなと思っています。

村上
取材後記
取材しているコチラが楽しくなるくらい、仕事を楽しんでいる感じが伝わってきました!
これからも白楽の皆さんのお口&気持ちのケアを、よろしくお願いいたします!

