子どもの歯(は)科 ~歯医者いらずの世界へ
当院には「小児歯科医」もいます。
当院は「歯医者が必要なくなる世界」を目指しています。
そのために、赤ちゃんがおなかにいるときからの通院が大事なんです。

柿山

妊婦さんが歯科医院に来て出来るのは、「歯の治療」や「クリーニング」だけなのでは?
それだけでなく、赤ちゃんが虫歯になるかならないかの分かれ道の話など知ってほしいことがいっぱいあります。
授乳の方法や意味、離乳食のことなど歯医者さんでお知らせできることはいっぱいあります。
まずはホームページでも伝えますが、ぜひ直接お話ししたいです。

柿山

当院が目指す「歯医者が必要なくなる世界」
①【小児歯科医から】ギャン泣きでも大丈夫!「泣き方」で見極める子どもの恐怖心と治療法
②【受け口/出っ歯も対応】3~5歳が鍵!お子様に最適な「ムーシールド」含む6種類の小児矯正プラン
③【舌ったらずは、治る?】舌小帯短縮症の原因・チェックポイントとベロトレの重要性
④【いつから行く?】0歳・歯が生える前から歯科受診を!プレママ・パパに知ってほしい予防歯科の知識
⑤【イヤイヤ期対策】プロが教える!子どもをトラウマにしない効果的な仕上げ磨きの方法
⑥【総合院長が熱弁】「遺伝じゃない」虫歯知らずの子どもを育てる6つの知識
- 妊娠中のホルモンバランス変化に対応!早産・低体重児出産の一因、タバコより怖い「妊娠性歯肉炎」チェックとマタニティ歯科
- 食器洗いスポンジから感染?! 「マイナス1歳」から親の虫歯菌をやっつける予防歯科
- 授乳=噛みながら飲む練習 顎の発達に直結!歯科から見た授乳と離乳食のポイント
- 「口呼吸が蔓延」は日本の危機!正しいベロの位置を覚え、歯並びへの悪影響を防ぐ
- 授乳=噛みながら飲む練習 顎の発達に直結!歯科から見た授乳と離乳食のポイント
- 10代の半数近くが該当?! 保険適用になった「口腔機能発達不全症」のサインと対策
⑦【地域の子どもの健康をサポート】近隣保育園(三ツ沢保育園/グローバルキッズ白楽など)の園医が伝える安心の歯科診療
①【小児歯科医から】ギャン泣きでも大丈夫!「泣き方」で見極める子どもの恐怖心と治療法


先生は「小児歯科医」とのことですが、「小児歯科」と「一般歯科」とは何が違うのでしょうか?
大人は歯の生え変わりがないですよね。
一方、子どもの歯は生え変わります。
子どもの虫歯は「結局抜けるからいいか」と思っている人が少なくない。
乳歯が虫歯をそのままにすると、大人の歯に影響するんです。

谷津

どんな影響が?
乳歯のときに治療をしないと、永久歯も結局虫歯になります。
子どもの歯はないがしろにしがちなんですけれど、成長という視点で大事な意味があります。
そのような視点を持って治療をするところが大きな違いです。
1人でも多くの人に「小児歯科」を知ってほしく、ホームページで「子どもの歯を大切にしたい方」=「子どもの歯(は)科」と表現しました。

谷津


確かに知ることは大事・・・「乳歯はどうせ抜けるんだから、いいや」ではないんですね。
ちなみに、子どもがギャン泣きでも大丈夫?

「泣き方」によっても違いがあるんです。
「甘えている泣き方」「本当に恐怖心からくる泣き方」どちらもあるんです。
例えば、お母さんと一緒に入ってきたときの「甘えている泣き方」はなんとなく分かる・・・年齢を加味して、そういう場合は離してあげた方がいい、ママは待合室で待っているほうがいいこともあります。
「母子分離(ぼしぶんり)」というのですが、その方が上手に治療できる子もいます。
本当に恐怖心で泣いている子に関しては、治療以外にも「コントロール」というのがあるんです。

谷津


コントロール?
「声掛け」ですね。
褒めてあげる、年齢をみてですけれど喝を入れることもあります。
あまりにも治療をすることが難しいと大きい病院にお願いする事もありますが、基本ある程度泣いても自分が対応してやっていくイメージです。

谷津

歯医者さんというものに慣れるために、トレーニングをする歯医者さんがあるという話を聞いたことがあるのですが。
尖ったものは出来ませんが、例えばミラーなどの危険性のないものを触ってみる・・・子供たちは「手に取ること」で覚えるんです。
「ちょっと口の中に入れてみて。痛くないでしょう?じゃあ先生にも使わせて。」というように段階を追ってやることもあります。

谷津
②【受け口/出っ歯も対応】3~5歳が鍵!お子様に最適な「ムーシールド」含む6種類
(ムーシールド/マイオブレス/床矯正/インビザライン/インビザラインの床矯正「パラタルエキスパンダー」/ワイヤー矯正)

「子どもの歯並びが悪い」と心配しているパパママも多いと聞きます。

そのような子たちを多く診てきました。
まず歯が並ぶスペースを作ってあげるために「床矯正(しょうきょうせい)」という取り外しのできる装置があります。
インビザラインの床矯正(パラタルエキスパンダー)も出てきています。

谷津



口呼吸が心配な子も多いですね。

谷津

口呼吸?
パパママもあまり分かってなくて、口呼吸の話をすると「あ、確かに!」とは言われます。
「口臭が気になるんです、この子」という相談のときに、口呼吸だとお口が乾燥するので汚れもつきやすく、取れづらくなると話します。

谷津


確かに、口で呼吸したら乾燥しますね。
参考:口呼吸がどうしてNGなのか、下記画像をご覧ください
口元を見ればなんとなく「口呼吸だ」と分かります。
最近保険診療で出来るようになった「口腔機能発達不全症(こうくうきのうはったつふぜんしょう)※」にもつながる話です。

谷津
※2018年に保険適用になった新しい歯科の病名で、18歳未満の子どもで、生まれつきの障害がないにも関わらず、食べる、話すなどのお口の機能が十分に発達していない状態を言います。
最近の調査では、10代の半分近くが口腔機能発達不全症の疑いのある症状を経験しているという結果が出ています。
出展:https://www.8020zaidan.or.jp/hattatsuhuzen/

「歯」だけじゃなく「口腔」も診てくれるんですね!
ベロや口の周りの筋肉も歯科衛生士さんと一緒に「MFT」(Oral Myofunctional Therapy:口腔筋機能療法:口周りの筋肉のバランスを整えるトレーニング)をやっていきます。
受け口は「ムーシールド」というマウスピース(下記画像)で治るんです。
アゴの骨が柔らかい3~5歳がいいです!

谷津

③【舌ったらずは、治る?】舌小帯短縮症の原因・チェックポイントとベロトレの重要性


子どもの舌ったらずは、舌小帯(ぜつしょうたい)が短いでなると聞いたのですが、舌小帯ってなんですか?
舌小帯は「ベロの下のピロピロした筋」で、短いと舌たらずになったりベロの先がハート型になったりします。
気付くキッカケは発音もそうですし、歯科検診の検査項目の中に入っていて指摘されることもあります。
おうちでもママが、食べ物の好き嫌い・・・例えば「筋っぽいもの」を食べないなどで気づくこともあります。
これもトレーニングしないといけないんですよ。
ベロには「食べ物を区別する役割」がある・・・噛み切れない→食べにくい→避けるとなるんです。
お家で気づけるところはそこですね。
疑いのあるお子さんのママに「食べ物の好き嫌いとか、どうですか?お肉とかどうですか?」と聞くと、「結構避けます」と返事があることが多いです。

谷津

舌小帯を切ることもあると聞いたのですが。
麻酔してレーザーでチチチと切るだけなので時間もそんなにかからないです。
それよりも「ベロのトレーニング」のほうが大事です。
切るのは簡単ですぐ終わりますが、トレーニングは時間が掛かります。
人間、ケガをしたときに跡が残りますよね、自分でいうとこれなんですが「瘢痕(はんこん)」といいます。

谷津

切りっぱなしすると、またすぐくっついちゃう=短いままになっちゃうんです。
なので「ベロのトレーニング」をしないと伸びてくれないんです。
例えば、野球選手が遠投するときに、腕をこう使うじゃないですか。
ココ(わきの下)がくっついていると遠投も出来ない。

谷津


舌小体を切ってベロを使えるようになったけど、治ってくる過程でべたっとくっついたらせっかく切ったのに意味がないよ、となる。
くっつかないようにトレーニングをしてあげないといけないんです。
通常のいす式の診察台だけじゃなくてフラットタイプの診察台もあるので、小さい子でも大丈夫です!

谷津

④【舌ったらずは、治る?】舌小帯短縮症の原因・チェックポイントとベロトレの重要性

先生はどうして「小児歯科」を専門に選んだのですか?
大人だけでなく、子ども含めオールラウンドに診たい思いがありました。
前職が小児歯科をメインに診療している歯医者さんで、0歳から診ていました。

谷津

0歳で歯医者さんに来ていいんですね!
ちなみに、どうして歯医者さんを志したのですか?
実家は、宮城県丸森町の歯医者でした。
実は、高校3年生まで全然なりたいものがなかったんですが、進路を考えた時に歯医者に憧れていたということに気付きました。(笑)
小さい頃は自宅と同じ建物の中にあった診療室によく遊びに行ってたりして・・・小児歯科専門医だった父を見て「いいな」と思ってたし、おじいちゃんも歯医者で2人とも「歯医者は天職」だと言ってましたね。
患者さんとは、治療だけじゃなく世間話もよくしていた感じでしたね。
なので、僕もよく雑談をしますね。

谷津

どんな子供時代でした?
小・中学校では野球やって、高校大学ではテニスをやってました!

谷津

院長はどんな人ですか?
パワフルだし、しかも勉強をいっぱいする先生なので、すごいです。
一緒にゴルフもします。

谷津

マイブームを教えてください!
ゴルフが大好きです!
大学まではテニス部だったんですが、社会人になってから始めました。
祖父も父もゴルフやってたので「ちょっとやってみようかな」と思ったらハマりました。
あとは「ゴジラ」が好きですね!

谷津

ゴジラ?!うちにフィギュアがいっぱいある?
メッチャあります。(笑)
子どもとも話が合うかもしれませんが、パパさんとも話が合うかもしれませんね。
欲しいんですけどいっぱい買っちゃうと置き場所ないので・・・実家に帰るとありますが。(笑)

谷津
⑤【イヤイヤ期対策】プロが教える!子どもをトラウマにしない効果的な仕上げ磨きの方法

子供が泣いちゃうから歯医者に行くのどうしよう・・・と思っているパパママにメッセージお願いします!
「泣いちゃうけど大丈夫かな」と思っているお母さんは多いと思うのですが、泣くのは当然なので、そこはあまり気にしなくてもいいかなと思います。
あと「乳歯だから虫歯になってもいいや」という考えは捨ててほしいです。
乳歯が悪くなると、永久歯も悪くなることへ直結してきます。
生えてくる永久歯が虫歯になるだけじゃなくて、虫歯の歯をよけて永久歯が生えてこようとするので歯並びにも悪影響が出ます。
私たちも変な人が来たら避けるじゃないですか、歯も同じなんです。
レントゲンを見て「あ、逃げてる逃げてる」ということもあります、人間の体ってすごいんですよ。
なので、乳歯も大切です。
あと「仕上げ磨き」をしてほしい・・・パパママは1日お仕事されて疲れていると思うんですけれど、子供のために。

谷津

仕上げ磨きって、いくつまでやるんですか?
小学校いっぱいまで、でしょうか?
それこそ、高学年になってきたら毎日じゃなくていいと思うんですけれど、意外と中学生とかのお年頃になると虫歯って一気に増えるんです。
出来れば中学生になっても、本人は恥ずかしいと思うんですが、週に1回とか2回とか見てもらえると・・・永久歯も最初は柔らかいので虫歯になりやすいし、虫歯になった時にどかーっと進行も早いんです。
小学校4~5年生までは毎日、それ以降も週1~2回が理想、です。

谷津

パパママが誰でも通る関門「イヤイヤ期の仕上げ磨き」のワンポイントアドバイスお願いします!
自分は「羽交い締め推奨派」で。(笑)
泣く動くは、低年齢の子は当たり前で、何を言っても無理で、そこのコントロールは難しいです。(笑)
結構立った(座った)まま磨いているパターンが多いんですが、寝かせてほしいです。
足の間に子供の体を入れて、足でガッチリ抑えてもらって、ホールドしてやってください。
「それでトラウマにならないですか?」と聞かれるのですが、全然大丈夫なので。
早い子だと2歳半くらいで虫歯治療の子がいて、それくらいの年齢での治療のほうがトラウマになると思います。
そうなるくらいなら、足の間に挟んでガシガシ磨いた方がいいと思うんです。

谷津


そういうことを対面で話を聞くと、全然違いますよね。
ネットの情報は玉石混合で疑心暗鬼になりますが、目の前の先生から話を聞くと説得力があります!
歯医者に定期的に行く習慣があるとないとでは、全然違うんです。
自分から「歯医者に行きたい」なんて子どもはいないです、親が連れて行くか行かないか?なんです。
だから、定期的に来ているお子さんのパパママは「すごいな~」と思います。
親の意識は大事です。
あと「母子分離」は「かわいそうなので」と思わずに、子供の背中を押してあげるくらいだと自立性が高くなります。
泣いている子も、その時点で泣いていても「母子分離」するんです。
2~3回までは泣くんですけど、徐々に泣かなくなって「ママ、待ってていいよ」となっていくんです。
自立させていくのも大事。
保育園や幼稚園に行っている子は、ひとりで行ける子も多いです。
・・・でも自分も子供が出来たら、そうできるかどうかは、かなり怪しいです。(笑)
自分も長男なので弱いんですよ、妹は強い。(汗)

谷津

(笑)ちなみに、歯が生えてすぐ歯医者さんに来ていいんですか?
やることはないんですけど、知識を得るタイミングとしてはベストだと思います。
「ねじれて生えてきた」などの歯の生え方やこれからの歯磨きなど、ちょっとでも気になったら来てもらった方がいいです。
プラスアルファで細かく小児歯科医ならではのお話をお伝え出来ます。
治療以外にもお伝えしたいことがいっぱいあるので、何もなくても「心配なんで」というだけで全然OKです。
治療じゃなくて、いいんです!

谷津

それと、これからパパママになろうという時点で歯医者さんに来てほしい。
「虫歯になりやすい子」になるかならないかは、パパママのお口の環境にかかっている(総合院長の熱弁!参照)など、出産前に直接会ってお話ししたいことが、山盛りなんです。(汗)
日常の中で当たり前のように歯医者に来る習慣が出来たら、こっちのもんです、いや、パパママお子さんのもんです。(笑)
クリーニングだけでなく、知識を取り込んでもらうことも予防歯科の大事なことなので、一緒に子供の歯を守っていきましょう!

谷津
⑥【総合院長が熱弁】「遺伝じゃない」虫歯知らずの子どもを育てる6つの知識
歯医者の小児科である「小児歯科」というのがあるということを知ってほしいです。
当院では、「子どもの歯(は)科」と言ってます。

柿山
- その1:妊娠中のホルモンバランス変化に対応!早産・低体重児出産の一因、タバコより怖い「妊娠性歯肉炎」チェックとマタニティ歯科
- その2:食器洗いスポンジから感染?! 「マイナス1歳」から親の虫歯菌をやっつける予防歯科
- その3:授乳=噛みながら飲む練習 アゴの発達に直結!歯科から見た授乳と離乳食のポイント
- その4:「口呼吸が蔓延」は日本の危機!正しいベロの位置を覚え、歯並びへの悪影響を防ぐ
- その5:虫歯菌が定着する「生後1歳7ヶ月〜2歳7ヶ月」!将来の虫歯リスクを激減させる「感染の窓」対策
- その6:10代の半数近くが該当?! 保険適用になった「口腔機能発達不全症」のサインと対策

その1:妊娠中のホルモンバランス変化に対応!早産・低体重児出産の一因、タバコより怖い「妊娠性歯肉炎」チェックと「マタニティ歯科」
妊娠中のお口のケアは、プレママ自身の健康だけでなく、生まれてくる赤ちゃんの将来の健康、特に「虫歯になりやすさ」まで決めてしまうことをご存知ですか?
当院では、「歯医者がいらなくなる世界」を目指すための第一歩として、妊娠中の方に向けた専門の妊婦さんのための特別プラン「マタニティ歯科」をご用意し、赤ちゃんとご家族の元気な未来をサポートします。
なぜ妊娠中に歯医者さんに行く必要があるの?

妊娠中に歯医者さんでチェックを受けることは、単に歯をきれいにするだけでなく、赤ちゃんの成長と将来の虫歯予防にとって、とても大切な理由があります。
A. 赤ちゃんを早めに、小さく産んでしまう危険を減らす
歯周病が進行すると、血液中の炎症物質の濃度が高まり、体がそれを「お産のサイン」と誤認し、子宮収縮を引き起こして早産につながることがあります。
また、歯周病菌そのものが血管を通って胎盤に達し、成長に影響を与える可能性も指摘されています。
その結果、早産や低体重で生まれるリスクが非妊娠時と比べて最大で7倍にも高まるというデータがあり、これはタバコよりも高い数値です。
お口のケアは、赤ちゃんの順調な発育を守る重要なポイントです。
B. 妊娠性歯肉炎への対応
妊娠中は女性ホルモンのバランスが大きく変化し、お口の中の細菌が増えるため「妊娠性歯肉炎」になることがあります。
つわりなどで歯磨きがおろそかになりがちな時期だからこそ、プロのケアが不可欠です。
C. 赤ちゃんの「虫歯予防」を妊娠中からスタート
生まれたての赤ちゃんのお口は無菌ですが、周囲の大人(特にパパママ)から虫歯菌が移り住みます。
妊娠中からお母さんの口内環境を徹底的に整えることで、赤ちゃんが虫歯になりにくい良い菌のバランス(口内フローラ)を獲得しやすくなり、将来の虫歯リスクを激減させることにつながります。
→子供に菌を移さないためどうしたかを話している、総合院長インタビューはこちら
D. 産後のリスク軽減
出産後は、赤ちゃんのお世話でご自身のケアが後回しになりがちです。
妊娠中に治療やクリーニングを済ませておくことで、産後の急な歯のトラブルを防ぎ、安心して育児に専念できます。
治療だけでなく、予防のための知識を取り込むことも予防歯科の重要な一歩です。
その2:食器洗いスポンジから感染?! 「マイナス1歳」から親の虫歯菌をやっつける予防歯科
- 院長インタビュー:「食器洗いスポンジから虫歯菌がうつる?!」
その3:授乳=噛みながら飲む練習 アゴの発達に直結!歯科から見た授乳と離乳食のポイント
- 院長インタビュー:「授乳=噛みながら飲む練習」
その4:「口呼吸が蔓延」は日本の危機!正しいベロの位置を覚え、歯並びへの悪影響を防ぐ
- 院長インタビュー:「正しいベロの位置は?」
その5:虫歯菌が定着する「生後1歳7ヶ月〜2歳7ヶ月」!将来の虫歯リスクを激減させる「感染の窓」対策

人の口の中には何百種類もの細菌がいますが、実は、生まれたばかりの赤ちゃんに「虫歯菌」はいないってご存知でしたか?
虫歯になりやすい、なりづらいは「遺伝」ではなく、スプーンの共有などで親から子へ移ってしまう「感染症」なのです。
特に気をつけたいのが、乳歯が生えそろう「生後1歳7か月から2歳7か月」の間です。
ここは「感染の窓」と呼ばれ、最も「ミュータンスレンサ球菌」という虫歯菌が定着しやすいタイミング。
逆に、この時期に「ミュータンスレンサ球菌」が住まなければ、将来虫歯になるリスクをぐっと減らすことができます。
ちなみに、この「ミュータンスレンサ球菌」は、歯がないと生きていけない=歯が生え始めから住み始めるのです。
歯を磨かなくても虫歯にならない子がいるのは、なぜ?と思う人もいると思います。
ここがその分かれ目なのです。
お子さまのお口をバイキンから守るためには、プレママの時期からのケアがとても大切です。
「家族みんなの健康」を守るためにも、ママだけでなく、パパやおじいちゃん、おばあちゃんも生まれる前からお口の環境を整える。
それが赤ちゃんが生まれてくるための準備なのです。
その6 10代の半数近くが該当?! 保険適用になった「口腔機能発達不全症」のサインと対策
口腔機能発達不全症とは?
口腔機能発達不全症とは、18歳未満の子どもで、生まれつきの障害がないにも関わらず、食べる、話すなどのお口の機能が十分に発達していない状態を言います。
(2018年に保険適用になった新しい歯科の病名)
最近の調査では、10代の半分近くが「口腔機能発達不全症の疑いのある症状」を経験しているという結果が出ています。
その背景に、軟らかくてあまり噛まなくても飲み込める食べ物が好まれ、噛む力が発達しないということも言われていますが、本当にそうでしょうか?
お口の二大機能『食べる機能』『話す機能』の発達は、生まれたときから始まり、体の成長に伴って発達していきます。
ここでは、口腔機能の発達不全のチェックポイントと対処法を紹介します。
こんなことない?「口腔機能発達不全症」のサイン
- 哺乳量・授乳回数が多すぎる/少なすぎる/ムラがある
- 離乳食が進まない
- 食べ物の噛み方がおかしい
- よく噛まない
- 食べるのに時間が掛かる
- 飲み込み方がおかしい
- なかなか飲み込めない
- 丸飲みする
- 食べこぼす
- 発音がおかしい
- いつも口を開けて(お口ぽかーん)息をしている
- 指しゃぶりをやめられない
これら症状があると、アゴの成長や歯並びだけでなく身体の成長にも悪影響があります。
また、将来「オーラルフレイル(口の虚弱:噛む・飲み込む・話すといった口腔機能が低下した状態)」にもつながります。
どうしたらいいの?
口腔機能発達不全症を予防するためには、妊娠中・育児中のパパママの知識を得ることが大事です。
妊娠中から学童期まで、それぞれの時期に応じて、関わり方や注意点をお話ししたいと思います。
A. 妊娠中

その1:栄養バランスのとれた食事
胎児の歯や口腔、顎の発達に関わるカルシウム・ビタミンD・マグネシウムなどを意識して摂取する。
その2:喫煙・飲酒の回避
先天異常や低体重出生のリスクを減らす。(アゴの発達にも影響する可能性があります。)
その3:早産・低出生体重児の予防
小さく生まれるとアゴ・筋肉が未熟になりやすい。
歯周病は早産・低体重児出産のリスクが上がるので歯科医院へ。
B. 授乳中(新生児期~乳児期初期)

出典:https://www.8020zaidan.or.jp/hattatsuhuzen/03.html
その1:できるだけ母乳育児を推奨
吸啜運動(きゅうてつうんどう:乳首を吸う口周囲の筋肉を使う)を通じてベロ・アゴ・口周りの筋肉発達を促すため
その2:哺乳瓶の選び方・使い方
乳首の形や硬さに注意し、舌や口を使うタイプ(ビーンスタークなど)を選ぶ。
その3:赤ちゃんの授乳時の正しい姿勢
赤ちゃんの頭と体をまっすぐに保ち、鼻呼吸を妨げない。 抱き方の左右バランスに注意
C. 離乳食(5~18か月ごろ)

その1:発達段階に合った食べ物の固さ・大きさを与える
初期:ドロドロ状→中期:舌でつぶせる固さ→後期:歯ぐきでかめる固さ
その2:「唇・歯・アゴ」をよく使う食べ方
スプーンで口の中に流し込むのではなく、本人が上の唇を使って口の筋肉を使う
その3:座る姿勢の安定両足がしっかりつくようにする。(姿勢が悪いと噛む力が育ちにくい)
その4:口を閉じてモグモグしているか確認
口が開いたままモグモグしている場合は、咀嚼機能(そしゃくきのう)が上手く育っていない可能性がある。
D. 離乳食卒業(1歳半~幼児期)

その1:よく噛んでからしっかり飲み込む
柔らかい物ばかりでなく、歯ごたえがある食べものも
その2:口を閉じて鼻呼吸をする (口呼吸の習慣を防ぐ)
口呼吸 (お口ぽかーん)は、歯並びやアゴの成長、ベロの筋肉の成長に悪影響
※鼻づまりやアレルギーがあれば耳鼻科受診をして、しっかり治す
その3:「口の周りの筋肉」を使うおもちゃで遊ぶ
笛、吹き戻し、ストロー、シャボン玉など口を使うおもちゃがいいです
その4:注意正しい姿勢のための生活習慣や姿勢、癖の見直し
頬杖、うつ伏せ寝、スマホやゲーム器械使用時の猫背やうつ向き姿勢など口腔発達にも直結します
その5:よくしゃべる・歌う・笑う環境を作る
舌や口の動き、表情筋の発達を促す
E. 学童期(6~12歳ごろ)

乳歯から永久歯へ生え変わる、口腔機能が成熟し、将来の歯並びに影響する大事な時期。
まだまだ親の関わりが必要です。
その1:噛む力を育てバランスの良い食事習慣
左右両側で噛むことを意識する、硬いもの、大きさ(なるべく大きめに)にバリエーションを付ける
その2:アゴのバランスの良い成長を促す
噛む回数を増やすと、唾液が出る→口腔自浄作用促進→虫歯を防ぐというメリットも
その3:口を閉じて鼻呼吸 (NO口呼吸)
鼻呼吸の習慣が身についているか日常的に観察する。
その4:正しい姿勢
猫背やうつ向き姿勢(スマホ・ゲームなど使用時)をしていないか。
両足が床につく椅子・机の高さ、食事の時の姿勢を整える。
その5:発音・会話の習慣
舌の動きや発音に異常(サ行・タ行の発音が聞き取りにくいなど)があれば早期対応が必要。
いっぱい話す・音読・歌などで舌や唇の動きをしっかり動かすトレーニング
その6:歯並びと顎の成長のチェック
永久歯の生え方や顎の成長に問題がないか、定期的に歯科で検診をする
その7:指しゃぶりや爪噛み、唇噛みなどの悪い習癖がある場合は、やめるように促す
「チェックすることがこんなにいっぱいあったら、とても見きれない・・・。それに良く分からない」
パパママだけでこれだけのチェック項目を背負うのは大変です。
子供の口に危機感のある総合院長、小児歯科医が在籍しております。
お子さんの口腔機能の発達について当院がサポートいたします!
お気軽にお問い合わせください!
出展:口腔機能発達不全症ってなあに?(公益財団法人 8020推進財団)

⑦【地域の子どもの健康をサポート】近隣保育園(三ツ沢保育園/グローバルキッズ白楽など)の園医が伝える安心の歯科診療
近隣の下記保育園の園医を担当しています。


