訪問歯科

白楽総合歯科には、訪問歯科の部隊もあると聞いたのですが、歯医者さんでやることを訪問でできるんですか?

特に嚥下(えんげ)に特化した、専門の先生がご自宅まで伺って評価、リハビリテーション指導、口腔ケアを行います。

柿山

歯医者さんなのに、飲み込みのことまで診てくれるんですか?

はい、歯医者は歯と歯ぐきだけじゃなく、口腔と呼ばれる「口の先からノド」までが領域です。

柿山

そうなんですね、知りませんでした。で、先ほどの飲み込みはどうやって診察するんですか?

持ち運べる「嚥下内視鏡(えんげないしきょう:VE)」で検査ができるんですよ。
「最近むせる」「食べこぼしが多くなった」そんな時は、ご相談ください。

柿山

検査のあとは、どのような治療が行われるんですか?

食事をどのような形態が良いかなどの提案、どんな入れ歯が良いかなどの提案もします。

多くの訪問歯科は「入れ歯とケア」が中心で、嚥下診断までできる医院はまだ多くありません。
そもそも訪問歯科の存在がまだまだ知られていないので、そこら辺から説明していきましょう。

柿山

訪問歯科とは?

「歯医者さんに行けない」
「足腰が弱くなって通院が難しい」
「寝たきりの家族の口臭や歯の状態が気になる」
訪問歯科とは、通院が難しい患者さんのおうちや施設へ歯医者さんが出向き、診療を行うことです。
当院から半径16キロ以内の範囲のおうちや施設に伺えます。
要介護でなくても「自力で通院困難」という条件であれば受けることが出来ます。
虫歯や入れ歯の治療だけでなく、当院は誤嚥性肺炎を防ぐ口腔ケアや食べる機能のリハビリも出来る「日本摂食嚥下リハビリテーション学会」の歯科医師がいます。

摂食嚥下(せっしょくえんげ)とは?

食べ物を認識→噛む→飲み込む→胃へ送るまでの「食べる」一連の動作です。
口の周りに筋肉、ベロ、ノドの絶妙な連携があって初めてできる反射で、低下すると誤嚥性肺炎のリスクが高まるため、歯科による専門的な検査やケアが重要です。
当院の訪問歯科は、内視鏡(VE)を用いた「専門的な飲み込みの検査」にも対応しています。

「摂食嚥下のメカニズム」を知ろう!

誤嚥している状態

正常な飲み込み

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)とは?

高齢の方にとって、お口のトラブルは単なる「歯の問題」にとどまりません。
特に怖いのが「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」です。

お口の中の細菌が食べ物や唾液と一緒に気管に入ってしまうことで引き起こされるこの肺炎は、高齢者の命に関わる重大な病気です。
これを防ぐためには、定期的な「プロによる口腔ケア」でお口を清潔に保つこと、正しく飲み込めているかの確認=「嚥下機能の評価」がとても大切です。
当院の訪問診療の最大の特徴は、嚥下内視鏡検査(VE:VideoEndoscopy)で実際の飲み込みの様子が診られることです。

「飲み込みの検査?大きい病院じゃないとできないんじゃない?」
大丈夫です、当院ではポータブルの内視鏡(VE)を持参し、患者様がいつもの椅子やベッドに座ったままの状態で検査を行うことができます。
鼻から極細のカメラを入れ、実際に食べ物を食べている様子が分かると、こんなことが分かります。

  • 喉のどこに食べ物が詰まっているか
  • 気管に入りそうになっていないか(誤嚥の有無)
  • ゼリーorお粥or固形物など、どの形態なら安全に食べられるか
  • 食事の時の姿勢は今のままで良いか

これらを歯科医師が直接目で見て診断することで、「感覚」ではなく「医学的根拠」に基づいた食事指導やリハビリが可能になります。
「もう口から食べるのは無理かもしれない」とあきらめかけていた方が、検査と訓練を経て、再び好物を味わえるようになり、ご家族と一緒に食卓を囲めるようになる・・・私たちは、そういった瞬間に立ち会えることを何よりの喜びとしています。
実は、お口から栄養を摂ることは、身体の機能を維持するだけでなく、免疫力を高め、脳への刺激となり認知症予防にもつながります。

担当医

熊坂武典 先生
日本摂食嚥下リハビリテーション学会会員

訪問歯科Q&A

Q. 費用は高いのですか?

A. 訪問歯科診療には、医療保険と介護保険が適用されます。
(保険の範囲内で行いますのでご安心ください。)
まずはお電話にて「訪問歯科の相談がしたい」とお伝えください。
患者さんの現在の状況をお伺いし、ご自宅へ伺う日程を調整させていただきます。

Q. 鼻からカメラを入れるなんて、痛くないですか?

A. ほとんど痛みはありませんので、ご安心ください。
使用するのは直径3mm程度(細いうどんくらい)の非常に細いカメラです。
胃カメラのように「オエッ」となるノドの奥までは入れませんので、吐き気や苦しさを感じることはほとんどありません。
必要に応じて、鼻の穴に少量の麻酔ジェルなどを塗るので、リラックスして受けていただけます。

Q. 検査当日は、絶食(食事抜き)が必要ですか?

A. いいえ、胃カメラではないので、むしろ「いつものお食事」をご用意ください。
VE検査では「実際に食べている様子」を観察しますので、普段召し上がっているお食事や、飲み込みにくいと感じているお飲み物、お好きなおやつなどをあえて用意していただき、食べながら検査を行います。

Q. 検査をすると、何が変わりますか?

A.「安全に食べられる食事の形態」が明確になります。
「なんとなく危ないからミキサー食」ではなく、「ゼリー状なら安全」「とろみをこれくらいつければ大丈夫」といった具体的な判断ができ、デイサービスやヘルパーさんなどへの依頼も明確に出来るようになります。
無駄な食事制限をなくして食べる楽しみを取り戻したり、逆に誤嚥のリスクが高い食べ物を避けて肺炎を防いだりするための、具体的なアドバイスを行います。

Q. 認知症でじっとしているのが難しいのですが、検査できますか?

A. 訪問診療に慣れたスタッフが対応するので、多くのケースで可能です。
普段座り慣れている椅子や、ベッドを少し起こした状態など、患者さんがリラックスした姿勢で行います。
ただし、激しく暴れてしまう場合など、安全が確保できないと判断した場合は中止することもあります。

訪問対応エリア

当院(横浜市神奈川区白楽)から半径16km圏内が対象です。

【神奈川県】

  • 横浜市: 神奈川区・鶴見区・港北区をはじめ、市内ほぼ全域
  • 川崎市: 全域(川崎区・幸区・中原区・高津区・宮前区・多摩区・麻生区)
  • その他: 大和市、鎌倉市の一部 など

【東京都】

  • 大田区、世田谷区、目黒区、品川区、狛江市、町田市の一部 など

※上記エリア内であっても、交通事情等により伺えない場合がございます。
※「私の家は対象かな?」と迷われた方は、まずはお気軽にお電話でご住所をお知らせください。お調べいたします。

開院当時から通われていた患者さんが、「通院が難しいから」と診療が途絶えることがずっと気になっていました。
当院に通われていた方は治療の履歴も分かりますし、そうでない方も訪問歯科のスペシャリストの先生が優しく対応いたします。

分からないことが多いと思うので、まずはご連絡ください。

あなたのお困りごとは何ですか?